好き、なんだよ。

「よし、オレらも帰るか」


「帰っちゃっていいの?」


「え?」


とぼけたが本当は分かっている。


夏音、今日は妙に察しが良いな。


想定外だし、ちょっと困る。



「それ、渡すんじゃないの?」



オレの机の脇には紙袋がかかっている。


朽木に渡そうと、夏音にキーホルダーの件だけを話し、用意したものだ。


だけど今さらこれを渡しても...。


オレが躊躇して目を泳がせていると、夏音が顔を覗き込んできた。



「待ってるよ。何時間でも待つ。わたしはれおくんを信じてる」



ほんと、


夏音は良いやつ過ぎる。


これだから、


側にいたくなる。


だけど、あと少し、


少しだけ、


席、外すな。



「...夏音、ごめん。ちょっと行ってくる」


「うん、行ってらっしゃい」