「やっぱりここだったか」



背後に立ち、声をかけた。


オレの声にピクリと反応する。


なんだよ、


お前の好きな


うさぎみてえじゃん。



「今日こそはちゃんと話を聞きたい」



オレがそう言うと、



「いや、でも夏に話したじゃん」



逃れようとしているみたいだが、


オレが賢いってこと、忘れられては困る。


ちゃんと包囲網は張り巡らしてるから、逃げ場はないぜ


......朽木奈和。



「あれが全てじゃないだろう?」



口元を押さえる朽木。


何で知ってるの?


そんな顔をしている。


仕方あるまい。


答えてあげようではないか。



「森下から聞いた話と違う。どっちかが嘘をついてる。嘘をつくのが得意な朽木ならやりかねないなと思って」