好き、なんだよ。

「感動して泣いたとか意味不明」


「あの人絶対情緒不安定でしょ?」


「カレシにフラれたとか?」


「いや、そもそもカレシなんていないでしょ。あんな重そうな女、誰も支えきれないっつーの」



相手が女じゃなかったら殴っていたと思う。


オレは拳をぎゅっと握りしめた。


切るのを忘れて伸びた爪が食い込み、血が滲む。


朽木は...


朽木奈和は...


そんなやつじゃない。


あいつは、本当は枯れてなんていない。


枯らしたのは...オレなんだ。


オレがあいつを傷つけた。


たった一度の過ちを、殺人を犯したかのような口調で罵倒し、あいつを無視し続けた。


それでもあいつは、オレに笑いかけてくれた。


オレを助けてくれた。


なのにオレは...。