好き、なんだよ。

夏音が持ち前の俊足を活かして走って行った後、野次馬に見られながら朽木に手を差し出す。



「立てるか?」


「私は大丈夫だから。2人の邪魔してごめん...」



こんな時に何を言っているんだ。


自分の心配をしろと言いかけたが、立ち上がろうとした朽木がよろめいてそれどころではない。



「大丈夫じゃねえだろ」



間一髪で朽木の腰を押さえた。



「おぶってやるから1回しゃがめ」


「いいって」



何がいいんだ。


何も良くない。


オレに罪悪感を覚えさせたくせに、今さら何言ってるんだ。


...強がんじゃねえ。



「オレが良くない」



何度も乗れと言うが、こいつもまた意地っ張りだ。


立ったまま動かない。


どうすればいいんだ、と頭を抱えたその時。