好き、なんだよ。

由紀ちゃんは昨日クランクアップで、今日はクラスの出し物の手伝いをすると言っていたから一緒には帰れない。


仕方ないから1人で帰ろうとバッグを取りに教室に戻る。


近付く程に大きくなる声。


その声の主はすぐに見当がついた。


気づかれないようそっとドアを開け、席替えして窓側の列の一番後ろという離れ小島的な席に私は向かった。


彼は教卓の真ん前という特等席だから、背を向けていれば私が彼の視界に入ることはない。



「このお方は...。あの日森で出会った...!」


「彼女はくそばばあに毒リンゴを食わされた」


「俺達が小屋にいればこんなことにはならなかった」


「ったくもう最悪だよ」


「ああ~!どうすりゃいいんだ?!」



小人たちのセリフをアドリブで言っているのか全然話が進まない。



「くそばばあめ...!俺が殺す!」


「いや、俺だよ!」


「いやいや俺っしょ?」


「いーや、この俺様だ!」


「何を言ってるんだ?ここは1番強い俺様に任せろ!」


「最強はこの俺だよ」


「いや、俺......」


「どーぞどーぞ」