好き、なんだよ。

歩き出した瞬間に背中をバシンっと叩かれた。



「ゆ、由紀ちゃん!」


「まさか一緒に走れるとは思ってなかったよ~。お互い全力を出しきろうね!」


「もちろんだよ!由紀ちゃんのこと抜かせるように頑張る」


「ま、せいぜい頑張りな~」



由紀ちゃんが速いのは承知の上だ。


同じ第3走者として直接対決。


負けは見えてるけど、前2人がいい順番で繋いでくれることを祈るしかない。


強風が吹き、砂嵐が舞う。


舞台はアフリカの砂漠かと疑いたくなる。


第1走者の前島さんがスタートラインに立つ。


なぜか私まで緊張してきた。


まだ出番じゃないのに、


でもあと2分後には...。


あわわわ...。



「朽木さん」



樋口くんの穏やかな声。



「信じて、自分と......俺を。朽木さんが何番でも必ず俺が1番になるから」