好き、なんだよ。

と、代走者選出をしているところで撮影帰りの樋口くんが帰ってきた。



「樋口くんお疲れ」


「朽木さんもお疲れ。大玉なかなかいいセン行ってたんだけど、惜しかったって茂木さんから聞いた。写真いっぱい撮らせてもらったって言ってたよ」


「見せてもらってもいい?」


「いいよ。えっとね...どれだろう。あっ、この辺りかな?」




と2人で写真のチェックをしている時に、上履きを乱暴に履き、パンパンと音を鳴らしながら近付く人がいた。



「おい、樋口」


「何?」



2人の間に流れる険悪な雰囲気。


そこに挟まれてしまった私は息苦しくて窒息寸前。


早くここから抜け出したい。



「夏音が怪我して代わりを探してる。女子であと1人誰がいいと思う?」



樋口くんはふっと笑って私を見る。


えっと...


その...


なんで?


訳がわからず、すっと目をそらし、砂で汚れたジャージの裾をじっと見つめる。