好き、なんだよ。

自転車を駅前にきちんと駐輪してから来たのは、さすが真面目だと誉めてやろう。


誕生日なのに誰からも誉められないし祝われないなら、オレの心が腐ってしまう。


オレだって誉めて伸びるタイプだから誉められると嬉しいんだよ。


見上げると長い階段がオレに襲いかかってきた。


この階段を誰が1番速く登れるかなんて同級生と何回も競い合ったのが懐かしい。


運動もそれなりに出来ていたオレはビリになることはなかったが、1位にはなれなかった。


1位になれない悔しさが心の奥底でくすぶっていたのだろう。


オレは1番になるために努力することを覚えた。


勉強で1番になれば私立中学を受験させてもらえることになり、オレはガキの頃から必死に勉強し、1番になることを目指してきた。


お陰さまでオレは中学受験に合格し、美豊学園中等部に入ることができた。


それにより地元中進学のやつらとは離れることになったが、高みを目指すことにしか興味がなかったオレは、情より実力を重視した。


宮森から同じ中等部に進学したのはオレと夏音だけだったから、オレは夏音と同じクラスになった時は心強かったし、素直に嬉しかった。


2人だけということで妙な仲間意識が芽生え、それがやがて恋心に変わり、今に至るというわけだ。