好き、なんだよ。

それを見た瞬間、オレの心がぐらっと動いてぎゅうっと胸が締め付けられた。


奈和...。


心の中で呟く。


忘れたくても忘れられない名前。


アネキが言ってた。


こいつだけはオレにチョコをくれると。


ガキ大将気質で人気なんてこれっぽっちもなかったオレに、唯一こいつだけはチョコをくれた。


毎回オレの机の引き出しに入っていた。


懐かしい呼び方をすると、お道具箱、か。


市販品の板チョコを溶かして作った手作りのチョコレート菓子だった。


味も見た目も普通。


普通に女子が作る感じのやつだ。


だけどどこか懐かしくて優しい味だった。


オレみたいなやつにチョコをくれる


そんな優しいやつが、


あんなことするなんて、


オレは信じたくなかったんだ。


今だってこうして、


許してくれない、


罵声しか浴びせない、


そんなオレのために、


そんなオレのそばに、


こいつはいてくれる。


本当は、


本当は...


オレは、


オレは...、


朽木奈和を


どう思ってるんだ?


どうしたいんだ?