好き、なんだよ。

あまりにも喜びが顔に出ていたから自分でも怖くなった。


とはいえ夏音を送り出したことだし、そろそろ帰るか。


オレが荷物をまとめ、リュックに詰め込んでいると相澤が近寄ってきた。



「おーい、聞いてくれよー」


「ああ?」


「くちなおと離れたし、しかもくちなおと樋口くん隣同士なんだよ~。な、どうすればいっかな?」


「オレに聞くな。オレには関係ない」



相澤に言われなかったら忘れていた。


忘れさせてくれよ、頼むから。


と内心思いつつ、空席を辿っていくと、あいつが目に入った。


ついさっきまでオレの席だったところに朽木が座り、その右隣に樋口が座っていた。


めちゃくちゃ仲良さそうに談笑している。


こんなに笑う朽木を見たのはいつぶりだろう。


あ、あの時か。


雨に打たれ、怪我しながらオレを見て笑っていたあの時。


でも、


違う。


オレに見せていた表情と違う。


ちょっと控えめだが、心から楽しそうに、それでいて優しい笑顔だった。


あいつの回りにはパステルピンク色のオーラが見えた。


...なぜだろう。


指に針の先が刺さったみたいなチクリとした痛みを感じた。


どうしてこんな気持ちになるんだ?


痛くて熱い。


体の芯が燃えているような...。


てか、オレ熱あるのかもしれない。


今までの寝不足がたたって夏風邪を引いたのか。


やはり一刻も早く帰らねば。