好き、なんだよ。

「5、4、3、2、1...」


「点灯!!」



カウントダウンの後に光輝く町。


駅前から商店街、小さな通りまで温かなオレンジ色の光に包まれている。


私はようやく答えが分かった。



「イルミネーションかぁ。確かにこんなに綺麗だったら樋口くん撮りたくなるよね」


「今日朽木さんに来てもらったのは、他でもない朽木さんに写真のモデルになってもらおうと思って」


「えっ?」


「ネットに載せるつもりなんだけど、嫌だったら顔が映らないように撮るし...。お願い出来るかな?」



まさか、そんなこととは思ってもみなかった。


でもここまで来て奢ってももらっちゃったというのに嫌だなんて言えない。

私は顔を上げた。


「私だって分からないように撮ってくれるならいいよ」


「うわっ!本当に?朽木さんありがとう!」


「私にはそれくらいしか出来ないから」


「そんなことないよ。俺の写真のモデルは朽木さんにしか出来ない」


「ふぇっ?そ、そう...?」



そんなこと言われたら私本当に勘違いしてしまう。


樋口くんが...


私のこと...。



「朽木さん、どうかしかた?」


「ううん、何でもない」


「じゃあ、行こっか」


「うん......」



私は樋口くんの半歩後を着いていった。


いや、まさか、


まさか、そんなわけないよね。


うん、ない。


ないない。


絶対、ない。


そう言い聞かせながら。