好き、なんだよ。

私は喉が乾いていたこともあり、苦手なカフェオレも半分まではノンストップでグビグビ飲むことが出来た。


目の前で美味しそうにスコーンを頬張る樋口くんに申し訳ないので、スコーンは持ち帰って夕飯の後に頂くと言った。


普段は安い大袋のお菓子を何種類も買ってちびちび食べている母にあげたら、たいそう喜ぶだろう。



「あ、そうそう。今からやるイベントのことなんだけど」



思い出したように樋口くんが話し出した。


だけど、スコーンは手から離さずに持ったままだ。



「今日は何の日でしょうか?」


「今日は...」



あの2人の3周年記念日...じゃなくて一般的なやつだ。



「七夕」


「そう、大正解。で、それにちなんだイベントが午後7時7分から始まるってことでここにスタンバイしてるんだよ」


「イベントって何?歌手か何か来るの?」


「俺の趣味を知っていれば、もしかしたら分かるかもしれない」


そう言われたけれど、私は結局開始時間になるまで何の予想もつかなかった。