好き、なんだよ。

しばらく雨に打たれながらうろうろして先生を待っていたのだが、オレもさすがに疲れた。


朽木と2人きりになったんだし、いいチャンスだ。


あのことを聞こうと思い、朽木の目の前に座り込んだ。


そしたら、やつは急に変なことを言い出した。



「似合ってるよ」


「は?」


「髪だよ」


「あ、ああ」



まさか朽木が誉めてくれるなんて。


なんか、ちょっと、ほんのちょっと嬉しい。


100パーセント朽ちてるわけじゃないんだとオレは感じた。


オレが間違えていたのかもしれない。


朽木奈和を誤解していたのかもしれない。


許そう。


オレが許すって言えば、全部元通りになるのだから。


そうだ。


元通りにしよう。


あの日の前に、


朽木と笑っていたあの頃に、


戻ろう。