好き、なんだよ。

「なんだよ。言うことあんだろ」


「1回こっち来てくれませんか?」


「んだよ、急に。敬語使うなんてらしくねえぞ」



さすがに泥はまずいと思ったのだろう。


すかさずオレを敬うあたり、策士だと思う。



「顔に泥ついてるからこれで拭いていいよ」



背中に泥を投げつけておいて、顔の泥を気にしてどうするんだよ。


そう思ったものの、ありがたくハンカチを使わせてもらう。



「ありがと」



受け取ったハンカチに見覚えがあった。


これ小学校の時のじゃないか。


まだ持ってるなんて物持ち良すぎだろ。


ハンカチに思いを馳せていると、朽木がさらっと正論を言った。



「たぶん途中で先生が来ると思うから、待ってよう。私、足挫いて動けないし」