好き、なんだよ。

「な、お...」



オレは思わず呟いていた。


オレが最初に"なお"って呼び捨てにしたのは、朽木奈和だった。


小4で夏音が転校してきて、今まで"なおちゃん"だった朽木が"なおちゃん"を卒業し、"なおちゃん"は夏音になった。


元々いた方は慣れているし、呼びすてでいっかと思い、"奈和"になった。


そして、いつの間にか、"なお"は夏音になった。


名前を呼ぶこともなくなったとそう思っていた。


だけどなぜか、


なぜなのか分からないが、


朽木奈和は


オレの中に今でも確かに在り続けていた。


あの日、オレは確かに言った。


さいってえだ、と。


朽木はそう言われても仕方がないことをした。


にも関わらず、オレは...


嫌いになれなかった。


本当に嫌いなら、


許していなかったら、


オレは今こんなところにいない。