好き、なんだよ。

って、何が良いんだよ。


オレ...何してんだよ。


いつまでもいつまでもあの日のことを引きずって。



「ああ、もう!」



オレは地面を蹴った。


そして、また森の中へ入っていった。


胸に沸いてくるこの泥々として濁りきった感情をどこかに吐き出したかった。


何をしたいのか、


こんなことして何が楽しいのか、


自分でも分からなくなってきていた。


相澤の話を聞いてから余計に、だ。


自分にはないものを持ち、オレより何倍も大人で正しい樋口に腹が立っていた。


これが憎しみというやつなら、


これが妬みというのなら、


そんな汚い感情なら、


オレはいらない。


いらないんだよ...。


それが人を傷つけるって分かっているから。


オレは空を見上げた。


この灰色の空はまるでオレの心そのものだと思った。


汚い心を無にしたくて、オレはただひたすら歩いた。