好き、なんだよ。

夏音にコクった日のことはオレもよく覚えている。


オヤジが自殺したことがクラス中にばれ、息苦しくしていた時に変わらず優しく、毎日話しかけてくれたのが、夏音だった。


夏音はオレの家庭の事情も良く知っていたし、オレが辛そうにしていると必ずミルク飴を置いていく。


甘いものが嫌いなオレにとってその飴は凶器でしかなかったのだが、毎回舐めているうちに慣れてきた。


口に広がる仄かな優しい甘み。


夏音の姿と重なった。


告白されても勉強を理由に誰とも付き合わなかったオレが、初めて離したくない、自分のものにしたいと思った。


そして、その日。


オレは猪突猛進して夏音の元へ向かい、ぶっきらぼうに言っていた。



「付き合いたいんだけどいい?」