好き、なんだよ。

「あり...がとう」


「は?」


「見つけてくれて...ありがとう」


「うるせえ!な...いや、く、朽木が先に行ったんだからな!」


「えっ?」


「あのばばあ教師が言ってた。さっき朽木さんに香西くんがいないって言っちゃったから探しに行ってくれちゃったのかも~って」


「どこに行ってたの?」



なぜか口をつぐむ彼。


何か言えないようなことでもしていたのだろうか。



「お、オレは...ちょっと散歩してたんだよ。それを勝手に徘徊してるみたいに言いやがって。ちくしょー」


「ふふふふ...」



散歩?


どの口が言うの、それ。


昔の事件を思いだし、また笑ってしまう。


この人の前ではあんまり笑いたくないんだけど、自然と笑いが込み上げてくる。


もう笑い合えるような関係じゃないのに。


そう分かってても自然と込み上げてくる。



「お前なぁ、オレで笑うな!今までのことを考えたらな、ここに置いてきぼりにしたっていいんだぞ?!」


「でも、迎えに来てくれた」


「迎えに来たんじゃねえ。散歩のついでにふらふらーっとしたら、たあまたま木と木の間に朽木を見つけたってわけよ!お手柄だな、オレ」


「はっはっはっはっは...」



全身の痛みなんかすっ飛んだ。


面白すぎて泣き笑いした。


お腹を抱えて笑った。


もう死んでもいいってくらい笑った。


このままでいたいなんて思えてしまうほどに、私にとっては楽しくて穏やかな時間だった。