好き、なんだよ。

雨にただ打たれ、物思いに耽る。


こんなことになるなら大人しく帰ってれば良かった。


そしたら今頃夢の中だった...


わけないじゃん。


いないって言われた時点でその可能性は無くなってる。


香西玲音は昔から方向音痴だった。


遠足に行くと必ず最後の最後まで帰って来なくて先生たちも焦るんだけど、けろっとした顔して変なところから出てくるんだ。


私はそんな彼を、"大物になるなぁ"、なんて当時は呑気に思っていた。


小学校の卒業旅行では同じ班になった。

私ともう1人の男子が彼に着いていったことで他の女子2人と知らない町ではぐれ、結局町をほっつき歩き、偶然通りかかったおじさんに先生たちのところに車で連れていってもらったのだ。


だから...心配になったんだ。


心配で、心配で、駆け出してしまった。


それだけじゃない。


心配して助けに行って無事見つけられたら、私のことを許してくれるかなって、そう思う心もあった。


私はずるい。


そうやってポイント稼ぎしたってしょうがないのに。


私はマイナスのままだよ。


あの日の過ちのせいで...


私は...。