好き、なんだよ。


私は駐車場とは逆方向へ駆け出した。



「おーい!こーざーい!どこだー?」



谷口先生の数メートル横を通ったが全く気づかれず、私はそのままハイキングコースに入った。


とりあえず元来た道を引き返す。


熊避けにと由紀ちゃんにもらった鈴を鳴らしながら進んでいく。


傘を差していたのだが、逆にバランスが取れにくく、邪魔になるだけなので畳んでまた戻した。


整備されている道だから歩きやすいけれど、雨が染み込みぐちょぐちょしていた。


はや歩きしないと埋まってしまい、足が持っていかれる。


さっきの何十倍も疲れているところにこの雨。


心身ともにやられる。


そして一向に見つからない、彼。


一体どこに行ってしまったんだろう。


このままでは私が危ない。


諦めて戻るべきか。


いや、でもここで戻ったら、


戻ったら、意味がなくなる。


諦めちゃダメだ。


見つけてもらったんだから、


今度は私が見つけるんだ。