好き、なんだよ。

「なお~、ちゃんとやってるか?」



私が切り終わり、樋口くんが一生懸命焼きそばを作っている時に彼が登場した。


マシュマロも栄木さんも......いらないから、


いらないから、連れてって。


心の中でそう願っていたのだが、彼の目は別のところに向いた。



「ちょちょちょ、ちょっと待て。両手使って絶えず混ぜながら炒めないと均等に火が通らねえよ。貸してみ」



樋口くんは彼にヘラを貸さない。


両手に持って自分で混ぜている。



「こういうのはコツがあるんだよ。ちょっとだけ貸してくれよ」


「もう出来上がるからいい」


「いやぁでも、もうちょいしんなりした方が...」



と言ってるうちに樋口くんは取り分け始めた。


私も急いで紙皿を用意してテーブルに持っていく。


私には分かる。


樋口くん、怒ってるよ。


普段はこんな口の結び方しない。


お願いだから、帰って。


これ以上邪魔しないで。


これ以上...


もうこれ以上、


私を傷付けないで。