読めないあなたに小説を。




今、なんて言ったの?


好き?
誰が誰を?


だって、恵弥くんは私のことが嫌いで……。
これは、私の勝手な妄想なの?


「朱莉。お前が好きや」


そう言って、恵弥くんはそっと私を抱きしめた。


シトラスの匂いがする。
懐かしい感じだ。
これは……。


時々見ていた夢を思い出す。


そうだ、影になっていて分からなかったけれど、
あれは恵弥くんだ。


光の粒を纏っていたのは、紛れもなく恵弥くんなんだ。


やっと会えた。
ずっと、夢の中の光の人を捜していた。


まさか恵弥くんだったなんて信じられない。


でも、恵弥くんで良かったと思う自分がいる。


何故、苦手な恵弥くんといると落ち着くのか。
何故、この胸がきゅんとなるのか。


それは、つまり私は、










 恵弥くんが、好きだ。