読めないあなたに小説を。




また……。


心臓の辺りを押さえる。
ここが、きゅーん、って。
これはなんだろう。


胸が苦しいのに、嫌な感じはしない。
合宿の時から、この症状がふとした時にたまに出てくる。
病気かなと心配になるけれど、
統合失調症にこんな症状あるのかな?


学校を出る前に、すぐにその苦しさは消えたので、
心配することでもなかったんだなと安心して帰宅した。


いつものように部屋に篭ってパソコンを起動させる。
小説を投稿してメッセージメニューを開いた。


今日は誠治さんの方からメールが届いていた。


【新作を発表しました。ぜひ、そらさんに
 感想とアドバイスをいただきたいので、
 お時間のある時にご一読お願いします】


読者メニューに飛ぶと、ファン登録をしている作家さんの
新作のお知らせが出るようになっている。


そこに誠治さんの新作が載っていた。
【僕たちは、9つの春を越える】という題だった。


とりあえず本棚に追加して、
メッセージメニューに戻る。


返信のボタンを押してキーボードを叩いた。


【誠治さんこんにちは。新作おめでとうございます。
 少しずつ読んで、必ず感想を伝えますね。
 話は変わってしまいますが、前に誠治さんの言っていた、
 「真実」が分からないのです。
 

 彼の優しさを知ったのですが、
 相変わらず嫌なことを言ったり、冷たかったり。
 どっちが本当の彼なのか分かりません。
 分からないけど、でも、
 どうやら私も、新作を発表することになりそうです】