読めないあなたに小説を。




恵弥くんはポケットからメダルを1つ取り出して、
私に差し出した。


それはキラキラ輝いていて、とても綺麗。
それを見つめていると、
恵弥くんは私の手にそれを握らせた。


「これは、恵弥くんのものでしょう」


「ええんや。貰っとき。こないだの飴玉のお礼や」


そう言えば、飴玉をあげたんだった。
それのお礼にしては随分価値のあるものを貰ってしまった。


申し訳なくて恵弥くんを見たけれど、
彼は何も気にしていないみたい。






結局受け取ったメダルをポケットにしまう。


先生がカメラを操作して、タイマーにセットした。
急いで先生が端っこに立つ。


みんなでカウントダウンを始める。
カメラのレンズに向かい、私は苦笑いをしてみせた。


すると、恵弥くんが私の手を握る。


えっ?と思って恵弥くんを見上げると、
恵弥くんはとても柔らかい顔で微笑んだ。


それが嬉しくて、自然な笑顔になる。


そのまま、レンズを見ると、
カシャっと音がした。