読めないあなたに小説を。




結局、私の名前が挙がったのはその2つだけだった。
それも1票なので、完成した表には私の名前はない。


恵弥くんはというと、「かっこいい人」、
「頼りになる人」の2つの項目で1位を獲得していた。


1位を獲得した人気者さんたちにはメダルが贈られる。
そのメダルを2つ貰った恵弥くんだけど、
首にかけることはせずにポケットにそのまま突っ込んでいた。


ダブル受賞したのは恵弥くんだけ。
あんなに派手な見た目と悪い印象なのに、
クラスのみんなから慕われている。


すごいなぁと思った。


これだけ慕われるのに、どうして優しいことには
気付かないんだろう。


勿体ないと思うけれど、このままそれは
私だけが知っていればいいとも思う。


どうしてこんな風に思うんだろう。




その後は少しだけゲームをして、
最後に集合写真を撮ることになった。


出席番号順だったから、恵弥くんの隣に並ぶ。
彼は頭1つ分くらい高いから、
見上げないと顔が見れない。


見上げると、恵弥くんは涼しい顔をして
前を見据えていた。


「け、恵弥くん」


「あ?」


「人気者の受賞、おめでとう。すごいね」


「別に、あんなもん嬉しくねぇし」


「メダル、嬉しくないの?」


「何お前、こんなもん欲しかったんか?」


「えっ、と……」


「んな、一個やるわ」