読めないあなたに小説を。




「大丈夫。ありがとう。
 なんだろね、疲れたのかな?」


「ほんまかいな。具合悪くなったらはよ言えよ。
 ただでさえ慣れない場所なんやから」


「うん。ありがとう」


お礼を言うと、恵弥くんはそっぽを向いた。


あれ?なんか気に障ったかな、
と少し心配になるけれど、耳が赤い。
怒ってはいないんだろうなと思って微笑んだ。




集計が終わって、いよいよ発表の時が来た。
先生がホワイトボードに質問とその結果を書いていく。


かっこいい人は、やっぱり「須藤恵弥」の文字があった。
このクラスの女子はみんな恵弥くんに入れたであろう。
17票入っていた。


あとは1票とか2票とかまばらな票だった。
1票でも嬉しいのか、男子たちはわいわい騒いでいる。


恵弥くんがダントツで1位だったことを、誰も妬まない。
当然だというような雰囲気だった。


これだけ目立っても角が立たない人って
なかなかいないと思う。


次にかわいい人の結果発表。
1位だったのは、萌木満里奈さん。
20票入っていた。


萌木さんは制服をオシャレに着崩していて、
メイクも巻き髪もばっちりの元気系の女の子。


かわいさは女の私でも見惚れるほどの、
抜群のかわいさを誇っている。


何をどうやったらあんなかわいい子になるんだろう。


遺伝子かな。
中の下くらいの自分の顔を触ってみる。


私もせめてかわいい顔立ちだったら、
こんなに卑屈になることもなく自信を持てるのに。


他の子の名前も挙がっていて、
何票か入っていた。


先生が続きを書いていく。
もうないだろうと思っていたのに、
信じられない名前が挙がった。