読めないあなたに小説を。




しばらく学級委員と先生で集計を取っている間、
みんなは雑談していた。


私はやることがなくて窓の外を眺めていた。
ふと視線を感じて隣の席の恵弥くんを見ると、
彼もこちらを見ていて、目が合ってしまった。


その瞬間、午前中のあの出来事を思い出して顔が熱くなる。
ど、どうしよう。私、なんか変だ。


「何?」


「なんも」


「何で、見てるの?」


「お前を見てんじゃねぇ。外を見てるだけや」


そ、そっか。そうだよね。私なんか見てないよね。
なんだかそう思う自分が情けなくてため息をつく。
もう少し自信を持ったって罰は当たらないはずなのに。


「顔色」


「えっ?」


今の私に言った?


隣を見ると、恵弥くんは私をじっと見つめていた。
また目が合う。
恵弥くんは全然逸らそうとせずに見つめていた。


「顔色、悪くなってる。大丈夫か?」


「だ、大丈夫だよ。そんなに悪いかな?」


「また貧血か?具合悪いなら、
 保健の松村んとこ行ったらええんとちゃうの?」


顔を押さえて苦笑いする。
具合が悪いのかな?そんな感じはしないけど、
恵弥くんが言うってことはよほど顔色が悪いんだろう。


でも本当に、今は大丈夫。
それでも真剣に心配してくれている
恵弥くんに申し訳なく思った。