読めないあなたに小説を。




1枚の紙には質問が20個も並んでいて、
解答欄が設けられていた。


最初の質問は、「クラスの中のかっこいい男子」だった。
次が「クラスの中のかわいい女子」。


ありきたりな質問。
その他にも「クラスの中の優しい人」とか、
「クラスの中の面白い人」など、質問は様々だった。


そんなにクラスを観察したことないから分からないけれど、
とりあえず埋めていく。


かっこいい男子と優しい人には、
恵弥くんの名前を書いた。


恵弥くんは、多分かっこいい人で票を集めるだろう。


無駄に容姿はいいもん。
女の子は書いちゃうよね。
櫻田さんも書くんだろうなぁ。


私は、どうだろう。
空気のような存在だから、誰も私の名前は挙げないよね。


それでいいんだけどさ。
なんだか虚しくなっちゃう。


本当に、空気みたいで、
この世界に必要ないって言われているみたい。


落ち込むような企画を考えた先生が恨めしい。


「はい、書いたら後ろから集めろー」


前の人に裏返した紙を渡して、
その紙がどんどん前に流れていく。


隣を見ると恵弥くんは欠伸をしていた。


恵弥くんは誰の名前を書いたのかな。
かわいい人には、櫻田さんを書いたのかな。


そうだったら櫻田さんは喜ぶよね。
だって恵弥くんの好きな人が、
櫻田さんかもしれないんだから。