読めないあなたに小説を。




「じゃあ、この合宿中に聞いておいてね」


「う、うん……」


「ねえ、紫月さんも一緒に話そうよ」


「前から仲良くなりたいと思ってたんだよね」


「友達になろう?朱莉ちゃん」


名前を呼ばれて、トクンと胸がなる。
これが、友達。
難しいと思っていたのに、こんなに簡単に済むことなの?


「朱莉ちゃん、合宿楽しみだね。次はカレー作りだよ」


「そ、そうだね。私も楽しみ」


「恵弥、料理得意なんだよ」


「えー、そうなんだ?ますますかっこいい~」


「ちょっと、須藤くんは亜依が狙ってるんだからね」


「別に、かっこいいのは事実なんだから言ってもいいわよ」


女の子だなぁ。
こんな話が出来るなんて夢みたい。
本当に友達になれたのかな。


「朱莉ちゃんが好きな人を調べてくれるんだもん、
 頑張っちゃおう」


櫻田さんがニコニコ笑って私の手を取る。
私はまだぎこちない笑みを浮かべてそれに応えた。


しばらく喋っていると、アナウンスが鳴り、
全員外に集合するように言われた。


私たちは一緒に部屋を出て外に向かう。
外に出ると、もう恵弥くんがいて、
櫻田さんたちに目で合図された。


私のミッションが始まる。
恵弥くんの好きな人を突き止めないと。