読めないあなたに小説を。




3人はそれぞれ恵弥くんのことを喋っている。


櫻田さんの、「地味」という発言に違和感を覚えたけれど、
考えられない。
恵弥くんが地味で目立たなかったなんて、
今の彼からは想像できない。


それにしても、こんなところで話題が出るなんて、
絶対悪口だと思ってたけれど、全然いい空気。
むしろどんどん憧れの人になっていっている気がする。


「何気にさ、須藤くんってかっこいいよね」


その言葉に何故かドキッとする。
完全に聞き耳を立ててじっとしていた。


こんな話題になるということは、
彼は陽向の人間なんだなぁ。
私とは大違い。


「それ思った~。なんかいいよね」


「あたしさ、実は恵弥、狙ってるんだよね」


櫻田さんが声のトーンを一段低くして言う。
すると2人はきゃー!と黄色い声をあげた。


狙ってるって、好きってこと?


「すごい!いいじゃん、お似合い~。
 頑張ってよ。応援する」


「美男美女カップルじゃん」


「そんなことないよぉ」


すごく女の子を感じる。
少しキツイ人だと思っていたけれど、
こんなに柔らかく笑えるんだ。