真美ちゃんが何故死を選んだのか、それは明白だった。
あの時のあの言葉が、真美ちゃんを深く傷つけた。
私は言ってはいけないことを言ってしまったのだ。
親友の私が、一番に味方になって支えてあげなくてはいけなかったのに。
真美ちゃんのお葬式に出て、
真美ちゃんのお母さんから
「いつも仲良くしてくれていてありがとうね」と言われたけれど、
私は誤魔化すように笑うことしか出来なかった。
遺影の中の真美ちゃんは、笑っていたのだけれど、
「ねぇ、何故あんなことを言ったの?」と
責められているような気がして怖かった。
葬式が終わり、翌日に学校に行くと、
周囲の様子がおかしかった。
みんなで私を無視する。
空気のように、話しかけてもつん、と目を逸らして知らないふりをしていた。
それはあの時私が、いじめているグループの女子に振りかざした
正義の言葉のせいだと知って、私は絶望した。
真美ちゃんに対しては間違ったことを言ってしまったけれど、
あいつらに言った言葉は、何も間違っていない。
正しいはずだったのに。
正しいことを言えばみんなからいじめられ、
間違ったことを言えば人が死ぬ。
言葉とは、恐ろしいものだと、その時初めて知った。
一言間違えれば、人を傷つけ死に追いやる。
一言余計であれば人から嫌われる。
それならもう、私に言葉はいらない。


