「今日は席順に引いていくか。
前の席から引いていけよ」
じゃんけんで廊下側の席から引いていくことになり、
私は一番最後に引いた。
紙を開くと、「8」と書いてあった。
先生が「番号ごとに集まれ」と言ったので、
8番の場所へ向かうと、
そこには恵弥くんの姿があった。
恵弥くんは私の顔を見て驚いていたけれど、
すぐにいつもの顔に戻った。
もう1人の男の子が恵弥くんと仲の良い子だったみたいで、
二人で話している。
私のグループのもう1人の女の子は……。
「なんだ、紫月さんか。よろしく」
「よ、よろしく……」
茶髪の長い髪を綺麗に巻いていて、
ほどよく化粧をしている目が大きい女の子、
確かこの人は、「櫻田亜依」さんだ。
櫻田さんは髪の毛をいじりながら私に挨拶すると、
すぐに別なグループの子にちょっかいを出す。
私になんか目もくれず。
合宿ではこのグループで行動することが多いのに、
私や恵弥くんたちと仲良くなろうとする気もないのかな。
こんなグループで、大丈夫だろうか。
先が思いやられる。
憂鬱だ。休みたい……。
「じゃあ、リーダーを決めて報告してくれ。
なるべくスパッと決めろよ」
みんなザワザワと楽しそうに話し合いをする。
その中で私たちはというと、
誰もリーダーを決めようとしない。
男子はふざけているし、櫻田さんは何も喋らない。
私も喋らないのだけれど。
早く決めないと注意されちゃうのに。どうしよう。
「あ、あの……リーダー、誰にする?」