それを、恵弥くんはバカにした。
読んでもいないのに、
まるでそれを読んだことのあるような涼しい顔をして非難した。
読んだら絶対、恵弥くんだって考えが変わるはずなのに。
このままくだらないと思われて終わるのも嫌だけれど、
そもそも恵弥くんに関わりたくもない。
ああいう人種は、ずっとああだから、
変えるなんて無理なことかも。
街まであっという間に着いて、
アナウンスが流れたので慌ててスマホをしまい、料金を払う。
運転手さんにお礼を言い外に出ると、スーパーまで歩いた。
途中、かわいい服屋さんがある。
私は街に出るといつも、その服屋さんの服たちを見る。
買わないけれど、こういう服を着たいと思う。
いいなあ、私も、女の子らしい服を着て、
世の中の女子高生みたいに、お出かけしたりしたい。
でも、友達の一人さえいない私には、それは叶わない夢。
こんな服を買ったって、どこにもそれを着ていくような場所はない。
せいぜい私は、ジーパンにパーカーでいいのよ。
誰にも会わないし。
スーパーに着いて、メモを見ながらおつかいを遂行していく。
今日は野菜炒めか、とメモの内容を見て思う。
私はお母さんの作る野菜炒めが一番好き。
程よい味付けに、野菜たっぷりの栄養がある。
下手に他の野菜炒めは食べられないくらい、
お母さんの味が好きなのだ。
それが食卓に並ぶだけで、私はほっこりした気持ちになる。
私は料理が苦手だけれど、
そのうちこの野菜炒めだけは
お母さんに習って作れるようになっておこうと思う。
もう少し体調が落ち着いて家のことをやれるようになったら、
お母さんにお願いしてみよう。


