読めないあなたに小説を。




【こんにちは。ちょっと聞いてください。
 クラスに、ある男の子がいて、ちょっと冷たいんです。
 平気で酷いことも言うし、口も悪くてもう言いたい放題。


 今日も私の小説にくだらねぇって言って笑ったんです。
 もう大嫌い!クラスで顔を合わせないといけないことが苦痛です。
 そう思う私こそ、嫌な奴でしょうか】


送信ボタンを押し、メッセージを閉じて返信を待つ間、
ワードソフトで小説を書き始める。


学校で書いた分を書き写して続きを書いた。


本当に、素敵な夢だった。
あの光の粒はなんなんだろう。


弾けた瞬間、手や足についてぼうっと温かかった。
それはもう夢ではなくて、現実かと思うほど鮮明な感覚だった。


現実世界もあんなふうに素敵な世界だったらなぁと思い、妄想に耽る。






手が止まらない。
どんどん先が思いつく。


楽しくなってきた時、通知が来た音がした。


それは小説サイトのもので、
メッセージが届いていた。
誠治さんだ。


メッセージを開くと、私に対する返信の文字が並んでいた。
書き出しに【そらさんへ】と書かれている。
そらというのは、私の作家名だ。




【こんにちは。それは悲しいですね。
 僕はそらさんの小説が大好きなので、
 そんな風にバカにする人がいるとは信じられません。
 くだらなくなんかないですからね。

 でも、その男の子の態度がイコール真実とは限りませんから、
 もう少し様子を見てもいいかと。
 嫌よ嫌よも好きのうちって言いますから、
 そのうち好きになるかもしれませんよ】