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一緒に行こうってリリカと約束していたけれど、学校の補習で遅れるみたいだから先に会場に行くことにした。
地元で有名なレストラン。
二階にある宴会場で予約してあるらしい。
エレベーターの前で待っている制服姿の男子にどこか見覚えがあった。
「優弥?」
「あ、かんな!久しぶり~」
やっぱりあの背の高さは優弥しかいない。
LINEはたまにしていたけれど、実際に会うのは一年ぶり。
他の男子よりもはるかに高い身長や、清潔感のある髪型、えくぼが光る笑顔まで全く変わらないあの頃のまま。
「ねぇ、優弥。何で制服なの?」
どおりで見覚えがあると思ったよ。
中学の頃と同じ学生服だもん。
「ああ、補習があって。家に帰るの面倒だからそのまま来た」
「おつかれ。休みなのに大変だね」
「まあね。春休みのかけらもないわ」
優弥はトップの進学校へ行って生徒会に入ってるんだって。
今日は補習だったけれど、部活の日もあって、本当に毎日大変そう。
「あれ、リリカは?」
「いったん家に帰ってから来るって」
「学校帰りにそのまま一緒に行こうって言ったら断られた」
「おめかししてくんだよ。女の子だもの」
そう。優弥とリリカは同じ高校で同じクラス。
実はリリカ、優弥のことがずっと好きなんだって。
それで追っかけて同じ進学校へ。
ああ!なんて素敵!!
とか言ったらぶん殴られそう。
だからこそ、リリカだと思ったの。
あのラブレターを書いた人。
だけど、違うって。
たしかに同じ学校に行くんだもん。
あんな捨て身なやり方、リリカらしくない。
そしたら誰?
ますます謎は深まるばかり。

