春色のラブレター







º・•◦♢º*・•*◦◦。.*•◦*◦♢♬•*・。◦





一緒に行こうってリリカと約束していたけれど、学校の補習で遅れるみたいだから先に会場に行くことにした。




地元で有名なレストラン。

二階にある宴会場で予約してあるらしい。




エレベーターの前で待っている制服姿の男子にどこか見覚えがあった。




「優弥?」

「あ、かんな!久しぶり~」


やっぱりあの背の高さは優弥しかいない。

LINEはたまにしていたけれど、実際に会うのは一年ぶり。



他の男子よりもはるかに高い身長や、清潔感のある髪型、えくぼが光る笑顔まで全く変わらないあの頃のまま。



「ねぇ、優弥。何で制服なの?」



どおりで見覚えがあると思ったよ。
 
中学の頃と同じ学生服だもん。


「ああ、補習があって。家に帰るの面倒だからそのまま来た」

「おつかれ。休みなのに大変だね」

「まあね。春休みのかけらもないわ」



優弥はトップの進学校へ行って生徒会に入ってるんだって。

今日は補習だったけれど、部活の日もあって、本当に毎日大変そう。







「あれ、リリカは?」


「いったん家に帰ってから来るって」

「学校帰りにそのまま一緒に行こうって言ったら断られた」

「おめかししてくんだよ。女の子だもの」


そう。優弥とリリカは同じ高校で同じクラス。

実はリリカ、優弥のことがずっと好きなんだって。

それで追っかけて同じ進学校へ。





ああ!なんて素敵!!

とか言ったらぶん殴られそう。




だからこそ、リリカだと思ったの。

あのラブレターを書いた人。



だけど、違うって。

たしかに同じ学校に行くんだもん。
あんな捨て身なやり方、リリカらしくない。


そしたら誰?

ますます謎は深まるばかり。