「俺も誰とも付き合わないってことでさんざん言われてきたけれど、それでも付き合うのなら好きな人じゃないと相手にも申し訳ないでしょ」
そうだ、一番はそうなんだ。
私もいろいろ言われてきた。
裏切り者とか、ビッチだとか、そんなのがあいさつ代わりになるくらいに。
だけど私が一番大事にしたいのは周りのことだ。
私が私でいる限り、他の人を傷つけるのはしょうがないかもしれない。
好きだと思っていない男子に告白されて、
その男子を好きな女子から恨まれて、
周りの女子が私を敵視して。
そんなループ、今まで何度もあった。
その中で私が大事にしてきた人は、そのループの中でも変わらずに私を信じてくれた人だ。
優弥だって、
リリカだって、
健ちゃんだって、
いつも私の言葉を信じてくれた。
私はその人たちの言葉を信じてきた。
それは間違いじゃないって確信を持って言えるよ。
優弥と私は少し似ている。
スペックは全く違うけれど、優弥の考え方は私の心にすっと入ってくる。
「付き合うのは好きになった子がいいなあ…」
優弥がそうつぶやいた。
優弥なら、大丈夫だよ。
それは私が保証するもん。
「……かんな、優弥」
後ろから声を掛けられて振り返ると……。
「リリカ……」
「ふ、二人で手を取り合って何してるの」
え、手?
あー!!全く無意識だった!!
「いや、違う!断じてこれは違うから!」
やましいことなど、優弥との間に何もありません!

