春色のラブレター







席に着くと、また男子たちがたくさん寄ってきた。
本当に優弥は変わらず人気者だなぁ。
男子にも女子にも好かれてさ。



「やっぱ変わんないね」

「あの男好きのとこがね」


ちょっとだけ視線を感じた。
でもできるだけそれを見ないようにした。


「来た途端に優弥の隣キープとかさすがに引くわ」

「さっきもやばくなかった?男子も見る目なさすぎ」

「高校でも色んな男に言い寄られてるんでしょ?」

「それで友達の好きな人取ったりしてさ」

「ビッチってこわーい」


い、いたたまれたない。

リリカが来るまでは外で待っていようかな。



その時、急に視界が黒に覆われた。



「やっほ、かんな」

「リリカ!」


このタイミングは神!!

涙が出そうになってリリカに抱きつく。

レモンの香水もリリカらしいな、と思う。


全身黒で統一して、真っ赤なリップが映えている。

優弥に比べて遅くなったのはバッチリメイクをしていたからだよね。



リリカが現れてから女子が静かになった気がする。

さすがはリリカ様。この威圧感ですよ。