春色のラブレター







ガラス張りの豪華な扉を開けるとみんなが一斉にこっちを見てきた。


「おおおおおおお!優弥じゃねぇか!」

「お前は相変わらずイケメンだな!」

「身長分けろ!!」


いろんな声が飛び交って秒で囲まれてしまった。

男子たちの圧力がすごすぎて、チビの私の視界がどんどん暗くなっていく。


この微妙な隙間からでも分かる。
女子はみんな優弥のことを見ている。

優弥なら周りに人がいっぱいいても頭が抜き出てるからすぐ分かるもんね。





「え、かんなじゃん」

ある1人の男子と隙間から目が合った。


「わ、マジか!!」

「優弥がデカすぎて気づかんかった!」

「久しぶりすぎる!」


やっほーと適当な挨拶をしておく。


ドアの前でわいわいと騒ぐ私たちを見る女子の目線が痛い。

優弥のことはキラキラした目で見るのに、私のこととなったらこうなるんだよ。




「そろそろ荷物置かせてくんない?」


教科者がこんもり入った重そうなリュックを指さした。

そうだな、と男子が言って、とりあえずは解放された。




さっきは突然取り囲まれたから分からなかったけど、よく見渡してみると、円形のテーブルがいくつかあって、前の方にはたくさんの料理が並んでいる。

決められた料理が運ばれてくるのかと思ったらビュフェ方式。

お腹空かせてきてよかった!ここの店の料理、すごい美味しいんだよね!!