だって...

夢でみた男の子と同じ。
漆黒の髪。青く見える程黒い。さらさらで耳までの長さ。白い肌に切れ長の目、薄い唇に...あれ?瞳は黒い。そーだよね。金色の瞳の人間なんていないもの。左耳にはシルバーのピアス。

『あたしったら、馬鹿みたい。夢の男の子が現実にいるわけない。自分が痛いよ。』

苦笑したその時。


『おーい。森井、何ぶつぶつ言ってるんだ?』

先生があたしの方を見て言った。


『すっ すみません』


くすくす笑いが聞こえる。
『ちょうどいい。放課後黒瀬に学校案内してやってくれ。』


え‐っ!やだやだこんな美形と歩くなんて緊張して案内なんかできないよ‐!


『宜しく。森井さん』


そう言って黒瀬皇は天使のように微笑んだ。








あたしは まだ知らなかった。


この超絶美形の転校生が、







あたしの運命に深く関わる事になると。