『黙れ。花梨。お前のその淫らな格好を見れば蓮が何をしたか分かる。』






さらに、一歩。蓮に近づく。



(やっぱり駄目だよ。ケルベロスっ!)



助けを求めて赤い瞳を必死でみるが、ケルベロスは静かにこちらを見返すだけだ。



『俺は今まで、我慢してきた。怒りを爆発させる事はあっても、魔王となる為の勉学、体術、好きでもない女とも毎晩寝た。でも花梨お前だけは...』





皇の顔はあの頃の男の子だ。



(泣いてる。)



涙は見えないがあたしには皇が泣いているのが分かる。








皇の心が。