ホテルを出るとケルベロスがあたしを待っていた。
『よろしいのですか?花梨様?』
『うん。あたし達のせいで沢山の人が不幸になる。もし二人で逃げてもきっと幸せにはならないよ。』
『そうですか...。マスターは花梨様を心から愛しておられます。』
『知ってるよ。さよならケルベロス。』
『花梨様...』
まだケルベロスは何か言いたそうにしていたがあたしは構わず走り出した。
(泣くな。泣くな。)
必死に自分に言い聞かせる。
歯をくいしばる。
拳を握る。
『あなた、大丈夫?顔真っ青よ。』
若い女の人が心配そうに声を掛けてきた。
『よろしいのですか?花梨様?』
『うん。あたし達のせいで沢山の人が不幸になる。もし二人で逃げてもきっと幸せにはならないよ。』
『そうですか...。マスターは花梨様を心から愛しておられます。』
『知ってるよ。さよならケルベロス。』
『花梨様...』
まだケルベロスは何か言いたそうにしていたがあたしは構わず走り出した。
(泣くな。泣くな。)
必死に自分に言い聞かせる。
歯をくいしばる。
拳を握る。
『あなた、大丈夫?顔真っ青よ。』
若い女の人が心配そうに声を掛けてきた。

