私の彼は魔王様

『僕はお人好しではないんだよ、花梨さん。言ったはずだ。君を兄上から奪うと。君が欲しい。』


そういってあたしに口づける。


そしてブラウスのボタンをひとつずつ外す。


『.....。っく、ひっく。』


涙が流れ嗚咽が漏れる。


蓮が不意に怒鳴った。


『なんでだよ!そんな兄上の事が好きならなんで抵抗しないんだっ!この前みたく『やめろ、変態』って言えよ!』



荒い息を吐き蓮は言う。


『やっと気付いた。僕は花梨の体が欲しいわけじゃない。心が欲しいんだ。君に笑って欲しいんだ。』