『おっと、喋り過ぎましたね。今日はこの辺で。さようなら、兄上 花梨さん。』



そう言うと蓮は音楽室を後にした。



大きくため息をつく皇。


『皇?大丈夫?』

『兄弟で好きな女が一緒とは。』

『でも、蓮さんはあたしをからかいたいだけなんじゃない?好きとかじゃなくて。』

『それはない。あいつが一人の女に固執しているのを俺はみた事がない。お前が初めてだ。間違いなくお前に惚れてる。あいつ自身気がついてないかもしれないが。』