side

灯が帰った後、俺は砂浜に座ったままでいた。
この海は綺麗だ。見ていると心が落ち着くから。

俺は灯が名乗った時の事を思い出していた。

「私、雪沢 灯、よろしくね」

その名を聞いた時、確信した。
フワッと優しく微笑む姿があの人を思い出させた。

「必ず、守り切ってみせる。だから安心して向こうで見てて下さい。」

この海に誓って絶対に…守るんだ。

俺はここまで来たバイクに跨がり決意を胸に走り出した。