家を出るときに忘れたのか、家の鍵を忘れてしまい別れたばっかりの雛乃家に行く。
 好きな奴と二人きり…心臓バクバクで平静を装うのが大変だった。
 「なーいーでーすー、そんな義務」
 久々の軽い言い合い。
 口では憎たらしいことを言っていても心の中は浮かれていた。
 何もかもが嬉しかった。
 「…有山高校」
 「…マジ?」
 これは答えてくれたことへの驚きだった。
 また答えてはくれないだろうと思っていたから。
 そんなことすらも嬉しくてたまらなくて、もう我慢なんかできそうになくて。
 俺は想いを告げた。
 保育園の頃からずっと好きだった。
 世界で一番愛してる。