桜の花に、想いを乗せて

告白を決めたその日から、私の心は晴れていた。

両想いではなくても、片想いのままでも気持ちを伝えることに意味があるのだと思った。

たとえ関係が変わってしまったとしても、私は航平に気持ちを伝えたかった。

どれだけ航平のことを思っているのかを。


そして卒業式前日。

その夜私は腰まであった髪の毛を肩まで切った。

気持ちを入れ替えるためには、形からでも入っていこうと思ったんだ。

卒業生より在校生は早く登校しなければ行けなかった。
だから最後の日は一緒に登校することも出来なかった。

卒業式では、きっと先輩の誰よりも泣いたと思う。
実際クラスメイトに白い目で見られてしまった。

それでも私は、航平の名前のが呼ばれた時は、涙を拭って、しっかり『はい。』というたった二文字を心に焼き付けた。

退場の時も後ろ姿が見えなくなる時まで、しっかり航平の姿を見届けた。

先輩達はこれから教室で最後のホームルームがあるんだろう。

クラスメイトが次々と帰って行く中で、私はホームルームの終わりを待った。