「しょうがないでしょ!メイクに時間かかったの!」

「お前はいくらメイクしたって無駄だって!」

「それは酷いんじゃない!?」
いつものバカバカしいやり取り。

航平は整った顔立ちだし、身長も高くてスラッとしている。

可愛くもない、チビな私の気持ちなんて分かるわけない。

「お前とこんなことできるのもあと1週間かー。」

「うん。そうだね。」

もう桜の花は咲き始めていた。