「行ってきまーす!」
いつもより余裕を持って家を出た私。

学校指定のローファーを履きながら、玄関を出た。

「お前はいつも遅いんだよ。あと30分で遅刻だぞ?」

私に文句を言ったのは幼なじみの航平。
見るからに大人っぽい彼は、1つ歳上だ。

「ごめん!でも今日余裕あるんだよ?」

「お前は馬鹿か。」
軽く頭を叩かれる私。

航平の手は思っていたよりずっと大きかった。

この手に触れていられるのもあと少し……