すると前に大葉優が後ろを向きながらまだ友達から逃げていた。（だらしないなぁ・・。動きにくくないのかな？あの制服・・。）ぼっーっと彼を見ていると、彼の姿がどんどん大きくなっていく。・・いやどんどん距離が縮んでいってるんだ。（えっ！ちょっと待って！！）私は前から大葉優が迫ってきているのでパニックになってしまい、どうしたらいいのか迷っていた。よければ晴香がぶつかってしまう。

どんどん近づいてきて彼がこっちを向いたときにはもう目の前に来ていた。

「あ、危ない！よいて！！」

ドンッ！！
私が目を閉じるのと同時に大葉優とぶつかり廊下でしりもちをつく。彼の友達も晴香も、その周りの生徒もあんぐりと口を開けて私と大葉優を見ていた。

「痛ぁ・・。」

「イテー・・。！！・・・。」

大葉優が私を驚いた顔で見る。（・・何？もしかして私殴られる？！）密かに逃げる体勢をとる。しかし大葉優は我に返ったかのように「あっ！」と声を上げた。

「ゴ、ゴメンね！！大丈夫？」

「え・・？」