美結に掛けられている守護魔法
さっき俺の身体に走った感覚はこれだったんだな…見たところ美結に掛けられている守護魔法はひとつやふたつではない

二重三重に掛けられてまやかしの魔法も掛けられているだろう
これは少々厄介だな…
俺は頭を抱えると思わずため息をついた


「俺が何故彼女を城まで連れて来たかお前なら直ぐわかっただろ?」

「守護魔法か?」


「この守護魔法を解ける魔法師はかなり高位の魔法師でなければ解けないだろう」


「まあ、俺クラスの魔法師ならやってやれないことはない、だが問題がひとつある」


「問題……?もしやそれは「美結自身の気力と体力だ」


気力と体力
それ意外にも魔法師には必要で有るものが多くあるがこのふたつは意外ととても大事なものだったりする
幾ら魔法に関する知識が抱負で才能があってもその人自身の気力と体力が充分に備わってなければ高位の魔法師にはなれないと言っても過言ではない

だから目の前の美結に気力と体力が充分に備わっているか?
これはとても重要なことだ
何故ならこれ程の守護魔法を解くとなるとかなり美結の身体に負担がかかるはずだからだ

しかしこれ程の守護魔法を何故異世界である美結に掛ける必要がある?
何故?いったい誰が?


「これは一気に解かないほうがいいな」

「美結さんに負担がかかりますね」


「でも早く解かなければ美結の体力が持つかが問題だ」
「体力…ですか」


「これ程の守護魔法ならば体調が悪くなったりすることもあったはずだ」

そう…守護魔法だけなら問題ないが他の魔法も掛けられているとなれば
身体に負担がかかり変調をきたす筈
このままでは危ない早く解かなければ!


美結…俺が必ず解いてやる
守ってやるから…
そう心の中で誓いを立てると彼女の手を握りしめた